エッセイ 8月31日に宿題をやるのが正解かもしれない


スタンフォード大学のジョン・ペリー教授が
先延ばしにする思考に関するエッセイで
イグノーブル賞をとっている。

そのエッセイがなかなか軽妙で面白い。

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特に笑ったのが
以下の3箇所
「両親が亡くなっている今、私の業績をここまで高く評価するのは
私くらいだろう」

「スタンフォード大学の通用口から出入りするようになって以来
(もちろん教職員としてである。学生としてこの大学に
入るのはとてもじゃないが無理だ)」

「私は、夕方になると、
答案の採点、講義の準備、委員会の雑務を先延ばしし、
学生寮で学生と卓球をしたり、話をしたりした。
ただラウンジで新聞を読んでいることもあった。
すると、私の評判が上がり、学生に混じって
彼らの理解に努める稀有な先生だと噂された」

うーん、このウィットに富んだ文章、さすがだな。


ちなみに、イグノーブル文学賞は、
冗談としか思えないことが多数受賞していて
その選定理由を見ているだけで面白い。
僕は、2009年受賞のアイルランド警察が大好き。

さて、ノーベル賞よりもイグノーブル賞の方が好きな僕は、
受賞狙いでエッセイを書いてみる。

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僕は、学生時代は夏休みの宿題を
7月中に終わらせてしまう生徒だった。
8月31日に大慌てで宿題をやる、というのは
マンガの中の世界のギャグだと本気で思っていた。

7月中に、宿題を終わらせてしまって、
8月はひたすらのんびり過ごしたり、
自分の好きなことに打ち込むのだ。

このスタイルは、小学校から大学時代まで続いた。

ずっとうまくいっていたのだが
雲行きが怪しくなってきたのは就職してサラリーマンに
なってからだ。

就職してからも僕は同じスタイルで仕事をしていた。
例えば、1日にやることが100、1週間で500あるとすると、
月曜日に480やってしまい、火〜金に残りの20を
のんびりやろうとしていた。

ところが、月曜日にものすごい勢いで仕事を片付け、
火曜からのんびりしていると
「お、ひまそうだね」と言われて、
追加で仕事が振ってくる。

月曜日に480片付けているのに、
火曜日にまた100追加される。
それを火曜日の午前中に、猛烈な勢いでやって
午後はのんびりしようと思っていると、
また午後に100追加される。

そんなこんなで、猛烈な勢いでやる→追加される、の
繰り返しで、週の仕事が元々500だったはずが
1000くらいこなすことになってしまう。

他の同僚の様子を観察すると、どうも
月曜〜木曜は、1日あたり50くらいしか仕事を片付けていない。
それを、金曜日になると、ものすごく忙しそうにして
300一気に取り組んでいる。

この方式だと、月曜〜木曜に
それなりに仕事しているように
見えるので、あまり仕事が振ってこない上、
金曜になるとものすごく忙しそうにしているので
追加で仕事がくるどころか、
周りから仕事を手伝ってもらえたりする。

また、もう締め切りがギリギリのため、
上司のチェックも甘くなっているように見えた。


月曜に余裕を持って提出している僕の仕事は
上司から細かくチェックを受け、何度もやり直しになっていた。

学生時代は僕のやり方はうまくいった。
夏休みの宿題を7月中にやり終えたからと言って
先生は追加の宿題を出さないし、そもそも、
7月中に終わったことに気づかれない。

仕事をし始めると、このやり方には
いろいろと問題が生じ、
上司から細かくチェックされる上、
結果的に、2倍以上の仕事量をこなさなければならなくなる。

この経験から、
僕は8月31日に大慌てで宿題をやるのが正解なのかもしれない、と
思い至った。

読者の中には、
いやいや、それでも早くやることでいいことはあったでしょう、と
思われる方もあるかもしれない。

確かに、僕のやり方で仕事をしていると
昇進する。

ただ、昇進しても、給料はほとんど変わらず、
責任は増え、業務量はさらに増大した。

他の人たちが、おしゃべりしながら
1日に50の仕事をこなす中、
僕は昼食を取る時間もないほど一心不乱に取り組んで、
1日に500の仕事をし、
隣の席の同僚とさえ世間話をする時間がなかった上、
一番遅くまで仕事をして
毎日、オフィスに鍵をかけて帰っていた。

確かに承認欲求はパンパンに満たされたけど、
やっぱり8月31日に宿題する人生の方が
楽しそうで、正解かも、と思う。

———————-

さて、ハーバード大で行われる表彰式の
スピーチを考えておかないといけないかな。
タキシードも必要かも。

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“エッセイ 8月31日に宿題をやるのが正解かもしれない” への2件の返信

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