森博嗣 「アンチハウス」読了。


森博嗣先生のガレージ製作記本である「アンチハウス」を読了した。
天邪鬼を自認し「整理術を書いてください」と依頼があれば
整理なんてするなという「アンチ整理術」を書き、
「お金の増やし方を書いてください」と依頼があれば
「お金の減らし方」を書いてしまう、森先生にとって
「アンチハウス」とはまさに痛快、そして「らしい」ネーミングだなあと
まずそこで感心。

白洲次郎の「武相荘」に匹敵する名ネーミングなんじゃないかな。

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森博嗣級の天才になると、
ガレージも一味も二味も違う。

僕自身、自分の理想のガレージ像が10年以上考えても
うまく描けていないのだが、森先生は
「他人に見せびらかすためではなk、自分の満足のためのもの」
「必要なものではなく、欲しいものを買う」という信条のもと、
大学の先輩の建築家とともにガレージの建設に挑む。

ポルシェ・993、ホンダ・ビート、ミニクーパー、光岡のキットかーが
収まり、庭園鉄道の駅舎も兼ね、
2Fの書斎からはクルマを上から眺められ、
そして全体としては飛行機の格納庫のようなフォルム。

そして何より、表紙にもなっている
屋根を支えるトラスというか四次元立方体?のような
構造がすごい。
僕は、中身が吹き抜けになっていてそこに宝塔が建っていた(説がある)
織田信長の安土城を連想した。

これは唯一無二、世界唯一のガレージといえるよね、、、
いやあ、これを見せつけられると、
僕が今まで考えていたガレージが、本当に発想が月並みというか
凡人だなあと思わされる。

森先生も、市の建築の指導や建築でよくある予算の膨張といった
問題に遭遇するが、その解決策も見もの。
設定を担当し、森先生と丁々発止のやりとりをする
建築家の阿竹氏も相当なキレ者とみた。

いやあ、久しぶりにすごい話が読めた気がする。
面白かった。

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