森博嗣作品研究 ヒロインとクルマの観点より 2023年5月

森博嗣作品についてこの1年間で
S&M、V、G、X、W(の途中まで)読み進めた。
(ペガサスの解は虚栄か? まで読了)

特に、ヒロインの観点から考察することで
研究していきたい。

*あとは自分の得意分野?である
 クルマの観点からについても考察したい。

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S&Mシリーズ
森博嗣作品の原点であるS&Mシリーズにおいての
絶対ヒロインは西之園萌絵である。

*森作品通しての裏女王というべき真賀田四季は
 とりあえず置いておく。

西之園萌絵、名家の御令嬢にして超お金持ち、
天才的な頭脳を持ち、ハキハキと社交的。

犀川という先生と学生、という関係性であれば、
そして学部生ぐらいまでの萌絵であれば
なんとか優位?に付き合えなくもないような気がするが、
同級生の男子として萌絵と接したら
とてもじゃないが、役者が違う、相手にされないで
あろうことはビンビン感じる。

そもそも、旧帝国大学総長、知事、県警本部長といった
現役バリバリの名家という時点でビビりまくって
お付き合いできないよなあと思う。

ただ、クルマ好きな彼女、
(作中でははっきりと言及があるのはポルシェのボクスター、
あと匂わせとしてフェラーリ、複数のクルマを所有しており、
ボクスターが一番価格が安いクルマであり、
足車となっているとの記述あり)
車内ではラジオやオーディオはかけず、
エンジン音を楽しむという硬派ぶり。
クルマの話は一緒にしてみたいなぁ、、、

Vシリーズ
瀬在丸紅子がヒロインってことになるのかな?
ただ、個人的には、祖父江刑事の方が好き。
*祖父江さんの愛車はセリカ。
トヨタの佐藤新社長の元、復活が期待される。

瀬在丸紅子は、シリーズ後半で徐々にわかってくるが
S&Mシリーズの某主要キャラと密接な関係あり。
その絡み?もあってか、お姉さんキャラ。
祖父江とバチバチやり合うところは
可愛げがあってよろしい。
没落貴族、といったキャラが強烈。
没落しても心は錦、というか執事を
呼びつけ、往時のように振る舞うさまは
堂に入った御嬢様ぶりを見せつける。

Gシリーズ
ここでも途中からドクタや大学教員にステップアップした
西之園萌絵が登場し、
全部持っていってしまう。
圧倒的存在感。

Xシリーズ
一転して登場の小川令子。
30代半ば〜後半の設定と思われるが
やたらお姉さんキャラを強調してるのは
今の時代から見ると、やや古さを感じる
(令和の今の時代的には、30代で
としいってる感出してたら完全にアウトの気が)。

クールで仕事デキる系のキャラ、
オーディオが趣味で、「クルマが買えるほど」の
金額をオーディオに注ぎ込むところ、
カッコよくて好き。
真空管で自分で組んでたらもっとカッコよかったが、
そこはお店に頼んでいて自分ではやらないそう。

Wシリーズ
ウグイ・マーガリィ

森先生の考える未来・ウォーカロンが登場する
Wシリーズ。(Wはウォーカロンから??)
そこに登場するウグイ。
最初はあまりにもつっけんどんで合理的、
あっさりさっぱり塩対応なので、
彼女もウォーカロンに思えてならなかった。

仕事は日本国の情報局員(国家公務員)。
ハギリ博士の護衛が任務。
クールで最小限の言葉しか発しないが、
運動神経は抜群で、数々の武器を使いこなして
全力でハギリ博士を守り抜く。
まるっきり「僕の彼女はサイボーグ」(2008年)では?!

そして、そんな人間離れ、人間味の薄かった
ウグイが、ハギリ博士の護衛を続けるうちに
だんだんお茶目な一面を見せるようになる。
そして、ついに
Wシリーズ4作目「デボラ、眠っているのか?」のラスト。
ハギリがわざと「ウグイ・マーガリン」と間違えて名前を呼ぶと
一旦はいつものようにクールに歩き去ったあと、
戻ってきて角から顔出して「あっかんべー」と!!

これはノックアウトされるでしょう。

恋に落ちる音が聞こえた気がした。

そうか、ハギリ博士とウグイは、
犀川先生と西之園萌絵なんだ、とこの時、理解できた。

自分はまだこの先、Wシリーズ、WWシリーズを読んでいないが、
今後もウグイに注目である。

*ところで、森博嗣先生は、若い頃は、
「3作書くと自分は飽きる」とのことで、
S&MもVもあっさり?と10作で完結させていたが、
この頃は、G、W、Xなどなど、あえて完結させずに
ずるずると?焦らし作戦を決行しておられる。
これは、読者の渇望を煽り、ビジネス的に
うまみのある展開に持ち込もうとしていることと
森先生自身がシリーズに愛着を覚え、
完結、終結させてしまうことに寂しさを
覚えつつあるのではないか!? と推察している。
とはいえ、森先生のことだから、実は全て
最終作が書かれており、万が一、森先生に
何かがあったとしても、順次、刊行されていく
手筈が全て整えられているような気も
しないでもない。
いや、きっとそうなってるだろう。

僕たち森ミスファンは、森先生の手のひらの上で
踊らされながら、刊行される書籍を楽しみに
待つのみである。

*そういえば、固有名詞に重きを
置いていない森先生であるのに、
「暗闇・キッス・それだけで」で
主人公の愛車が「ポルシェ」と名前がはっきり出てきたり、
ブラッド・ピットという固有名詞が登場した
ことは超意外で衝撃的だった。
てか、森先生、ブラッド・ピット、知ってるんだ、、、

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