僕ら、長いことクルマ好きやってる人たちには
徳大寺有恒氏の名言
「クルマは買っても売っても、損をする」
というのがジョーシキとして刻まれている。
だから、基本的にクルマは新車の時が一番高くて
どんどん安くなっていく、という思いがあった。
この常識がまだ通用していた10年ほど前の
カー雑誌の中古車広告欄を見ると、
空冷ポルシェが300万円台でゴロゴロあって、
ああ、タイムマシンがあるなら、この時代で
空冷ポルシェも、F40もありったけ、
買えるだけ買ってくるのに、、、と思う。
現在は昨今はこの常識が通用しなくなってきている。
以下の記事でもそうだ。
「下野康史(かばた やすし)の「自転車で行こう!」 でも、一日一峠(まで)」
クルマの値段が上がりだし、
その異変について気が付いたのは
やはり空冷ポルシェの値段が上がり始めたことだ。
あれ、徳大寺さんの名言で
クルマって買っても売っても損するはずだったのに、
あれ、あれ、って思ってるうちにあれよあれよと
クルマの値段が上がっていく。
一時期、F40の中古車も、1500万くらいで
売られていて、もうちょっと待ってれば
1000万切るなあ、そうしたらシャレで
買うのもいいかもなあ、とか思っていたが、
今、F40が1500万で売られていたら、
会社休んで明日買いに行くで。
そして、ハチロクは別格だけど、
この頃は、当時はごく普通に当たり前に
思えていたS2000とか、初代ロードスターとか
国産スポーツカーまでもが値上がり気味。
スープラ復活で盛り上がる中、
旧スープラも上昇傾向であるし。
近所のヘンなクルマ屋さんには、
旧車のスカイランが3000万近い値段で
置いてあるし、、、
いったいこれはなんなんだ。
でも、古くなると自動的に無価値になっていくのでなくて、
あるゾーンを突破するとまた価値が出てくる、というのは
古いものを維持しようということに繋がるので
非常に素晴らしいと思う。
僕のボクスターも、2018年問題(故障など)を
くぐり抜けることができたのは、情熱が一番の理由だが、
以前と違って、この先、どんどん価値がなくなって
0に近づいていくのではなく、昨今の中古車事情から
今が底値で、ここをくぐり抜けて頑張って
必死に維持していけばまた価値が上がってくるかも? という
計算もあったことは否めない。
これは、同じことが日本の建築や家にも
当てはまってくるんじゃないかなあと僕は思っている。
今まで、家ってのは新築が最高の状態で、
どんどん価値がなくなる。
そしてその価値の下落の勢いのすごさといったら
クルマの比ではない。
英国みたいに、日本も中古住宅の認証制度を
もうけようという動きもあり、僕は応援している。
古い家や建物に価値が出てくるようになったら
今の日本の使い捨て文化が根底から
変わるのではないかと期待している。