森博嗣氏の響いた言葉 建築観と人間は思ったとおりになるという話「100人の森博嗣」(2003年刊)より


その後も、森博嗣にハマっていて、
同時進行で大量の氏の著作を読んでいる。

2003年に発行された「100人の森博嗣」で
2つほど、とても印象深いことが書いてあったので、
ここでまとめてみる。

建築と欲しいものについての考え方。

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255ページに、県立旭丘高等学校の生徒のインタヴューに答えて
自身の建築観を話しているシーンがある。
これがまた森博嗣流が存分に炸裂していて、独特で、非常によかった。

いわく、建築で大事なのは、面白いと思える空間。
森氏は、最初の家(多分N市M東区)は自身で設計されているが、
その家の書斎は、天井高6メートル以上!
室内にベランダがあったり、部屋によって高さが違っていたり、
壁がなかったりと、かなり独特なつくりになっている。
別の著作で、その書斎の高い天井、広い空間を眺めていて
「そうだ、小説書こう」と思った、あの天井高の空間がなかったら
小説家になっていなかった、ということも書かれていて、
環境が人間に与える影響というのは大きいな、と思った。

また、僕はこの最初の森邸の話から、中が吹き抜けで
天主閣の中に宝塔が立っていた(のではないか)とされる
安土城を連想した。
安土城の中が、吹き抜け構造になっている、と知った時の
衝撃はすごかった。
森氏の書斎の天井が6メートルというのも同類の衝撃を感じた。

このインタヴューの最後、「高校生へ一言」というところ(260ページ)では
人間は、なんでも思うとおりにすることができると述べていらっしゃる。
思うとおりにならない(ように見える)のは、そう思ってないから。

例えとして、ポルシェを出しているが、
1000万、2000万のポルシェを本当に心の底から欲しいと思ったら、
人間なんとか工面して、それを実現するはず。
もし「お金がなくて、買えない」というのであれば、その人は、
ポルシェを買うよりも、のんびりしたい、テレビ見たい、一千万もそんなことに
使いたくない、と思って、ポルシェを買わない生活を選択して、
それがその人の思う通りの生活になっている、と述べている。

まさに、そうなんだよね、、、

自分は、中学生の時、フェラーリとかポルシェが死ぬほど欲しいと
思っていて、でも無理かもなあ、と思っていた。
そのころの新車のV8フェラーリは1600万ぐらい、ポルシェ・911は1000万ぐらい。

ただ、無理かもなと思っていた時は、まだ世の中のことが
よくわかってない時のことだった。
その後、中3ぐらいで、世間の普通のサラリーマンでも、
年収400万とか500万は稼げると知った時に
「なんだ、普通の人でもそんなに稼げるのか。
じゃあ、それを数年分貯めればフェラーリでもポルシェでも買えるじゃないか。
世の中の、フェラーリやポルシェが欲しいと言いつつ、買ってない人というのは
本気度が足りないだけじゃないか」と思った。

もし、フェラーリやポルシェが、一生かかっても買えないほどの価格
(例えば、ボーイング777を個人で欲しい! と思っても
流石にちょっと難しいかな、と思う)であれば、
普通に生きていても無理だよな、と思うけど、
普通のサラリーマンの年収×数年分でいけるなら、
全然いけるっしょ、ラクショーじゃん、って思った記憶がある。

実際僕は、その後、社会人になってから、
食うものも食わず、会社の先輩たちから
「お前、何が楽しくて生きてるんだ?」と言われる生活を数年続けて、
ポルシェセンターで新車のボクスターをオーダーしている。

森博嗣が高校生に向けて語った言葉がとても響いた。
人間は思ったとおりのことを実現できる。
それが実現できていないように見えるのは、意識的か無意識的かのところで
それを自分が望んでいないから。

*例えば僕がなかなか空冷を買わないのは、
ボクスターとの別れが辛すぎて、本当には空冷を買うことを
(まだ)今は望み切れていないんだろうな、と自分でも気がついている。
その迷いの気持ちが吹っ切れるほど、素晴らしくて
「これは買うしかないだろ!!」っていう車両と出会えたら、
その時は値段がいくらだろうと買うだろうな、と分かっている。

というわけで、やはり森博嗣の言葉にはいろいろと考えさせられる。
氏の著作の中に、今の時代でいうエゴサを1日に200件くらいしていて、
素人ブログで
氏を褒めているのはほとんどスルーだけど、
森博嗣をけなしているものに出合うと燃えてくる、ということを書かれていた。
以前の記述なので、令和の今の時代もエゴサを続けているかは
分からないものの、もしかしたら、こちらのブログも
ご覧になっている可能性もちょっとぐらいはあるのかなあ、なんて
思ったりもしたりして。

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「森博嗣氏の響いた言葉 建築観と人間は思ったとおりになるという話「100人の森博嗣」(2003年刊)より」への2件のフィードバック

  1. 心の深いところに滲み入る話しですね。
    私ももう少し読んでみます。

    1. コメントありがとうございます。
      自分は森先生の言葉にけっこう人生観が変わるほどの
      インパクトを受けました。
      まだこれからいろいろと読んでみたいと思います!

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